IKEAが2018年に新たに発表したGRÖNLID/グローンリードと名付けられたソファ。長らくIKEAのコンフォート・ソファの王座にあったEKTORP/エークトルプにとって、このグローンリードは強敵になるかもしれません。
グローンリードソファの噂を聞くや否や、私たちはIKEAに走り、恒例の厳しい検証を実施しました。今回の記事はその検証結果のレビューです。
外観
デザインという点では、グローンリードはエークトルプにかなり近いものがあります。コンフォートワークスのスタッフはもしエークトルプとVIMLE/ヴィムレが子供を産んだらグローンリードだと言っていますが、それはまあ、置いておきましょう。
アームレスト
グローンリードのアームレストは昔ながらのラウンドアームですが、エークトルプほどずんぐりした形ではありません。グローンリードの方がずっとクリーンで洗練された印象があるのはこのスリムなアームのおかげです。
IKEAデザイナーのEhlén Johansson & Francis Cayouetteの二人はディテールにもこだわっています。パイピングの入れ方もエークトープの旧式のスタイルよりずっと控えめです。
アームレストと座面の間に距離があるため、シートがある四角い空間が座る人を包み込むような印象となっています。ただ実際アームレストに腕を置きたい時は少々ぎこちない体勢になるかもしれません。
カラーバリエーション
IKEAはグローンリードのカバーはあまりバリエーション豊富ではないようです。彼らはこのソファを作るにあたって(いつものように)自然からインスピレーションを受けたようですが、正直こう繰り返しが続くとそれも飽きてしまいますよね。
こちらはアメリカのIKEAで販売されているカラーのご紹介です。
スポルダ ダークグレーはお子さんが(あるいはペットが)いる家庭には完璧な色です。よちよち歩きの小さなピカソがカラーペンのシミをつけても慌てなくてすみます。
ジュンゲン ライトグリーンは可愛らしいティール(青緑)色のカバーで、白を基調としたインテリアやナチュラルでウッディな部屋にはとてもよく合います。
スポルダ ナチュラルは言わばデフォルトの色、どんなインテリアにも馴染みます。もしソファを目立たせたいならチョイスはこの色ではないはずです。
ジュンゲン ミディアムグレーは若い世代のリビングにぴったりです。モダンな印象もあり、また幼い子がソファで大傑作を制作するたびに洗濯するという苦労もあまりありません。
一言で言えばグローンリードのカバーバリエーションは全て「IKEAカラー」であり、自然からインスパイアされ、そして全く代わり映えのしない使い古された色という印象です。
IKEAの色で個人的に好きなのは、以前使われていた可愛いキャラメルブラウンの色ですが、残念ながらそれも廃盤になってしまいました。
インセロス ライトブラウンは個人的にかなり好きな色で、IKEAがクリエイティビティや独自性を出してきた(数少ない)色の一つだと思います。
でも見切るのがちょっと早すぎないですかね?
IKEAさん、残念ながらこの販売終了はマイナス査定です。
外観評価:6/10
快適度
快適さという点ではグローンリードはIKEAファミリーの中で最高峰と言えます。今回さまざまな角度からグローンリードの心地よさを検証してみました。
クッションの厚み
グローンリードのクッションの質の良さは一目瞭然です。四角い形の雲に座っているかのよう。座面ひとつひとつがわずかにドーム型になっており(ちょっとヴィムレに近いかも)しっかりと詰まっていて、それだけで快適度はかなりアップします。
冒頭のエークトルプとヴィムレの子供説、案外的外れでもないのかもしれません。
座面の深さ
座面はエークトルプよりグローンリードの方が20%ほど奥行きがあります。この20%分がゆったりと後ろにもたれたいときやラップトップPCを置くスペースが欲しいときに役立つのですね。それからぼんやり座ってアイディアがひらめくのをひたすら待ちたい時も!
子供がお昼寝してしまっても転がり落ちなそうなくらい、奥行きがあるんです。
このとっても深い座面はソファから抜け出すのが大変なのが玉にキズなのですが、IKEAは使う人にもうちょっとだけゆっくり座って欲しいという願いを込めたのかもしれませんね。
動かせる背もたれクッション
グローンリードの移動可能な背もたれクッションは、ちょうどいい高さを自由に調整してくつろげるいいアイテムです。お昼寝のときに頭を置くのにも使えます。
お昼寝快適度
はい、IKEA店内でグローンリードを使ってお昼寝実験、やってみましたよ!結果は「IKEA史上最高の昼寝」です。シートクッションが柔らかくてサポートがとても自然です。座面のマットレスは体に添うような感じで、お昼寝中もしっかりと支えてくれます。
快適度スコア:9/10
カスタム度
グローンリードは他のほとんど全てのIKEAソファと同じく、デザインを自分で決めることができます。いろいろな要素を組み合わせてグローンリードを自分のリビングにぴったりのソファにすることができるんです。
私たちが見つけた、グローンリードがある素敵なお部屋をいくつかご紹介しましょう。
グローンリードシリーズもよくある様々なパーツでできています。オットマン、コーナーユニット、長椅子。でもあれもこれもとつけると本体が大きくなり自由度が下がってしまいます。普通の3人掛けのソファ本体のみで十分。それだけで壁の一面を占めてしまいます。
オプションのソファパーツについてはこのくらいにしておきましょう。
カスタム度:3/10
価格
さて、最終的にはやはりここ。価格です!ちょっと驚いたのですが、これだけゆったり心地よいソファ、値段は3人掛けで¥74,990、¥44,990のEKTORP/エークトルプ ソファと¥30,000しか違いません。(どちらも最低限のオプションの場合。2022年4月現在)
でも寝椅子とオットマンも合わせて買いたいという人は、グローンリードはベストなチョイスではないかもしれません。そういう追加オプションが重なるとクレジットカードに穴があきそうなくらい高価格になります。
個人的なところで言えば、この快適な座り心地を知っている以上、グローンリードはとりあえず買ってしまうと思います。でも必要最低限の本体のみ。それだけで十分な気がしますよ。
価格評価:7/10
最終評価
色の選択には限りがあるものの(インセロス ライトブラウンがなくなったことをまだ根に持ってます)全体的にはかなり質の良いソファだと思います。
快適度に関してグローンリードは満点。非常に柔らかくもしっかり支えてくれるシートはやみつきになります。好きなところにおけるクッションもいい感じで、日中デイベッドとして使いたいときは役に立ちます。
カスタム度は残念ながら低めです。
価格は充分、お手頃と言っていいと思いますし、エークトルプより大きく、質の高いソファを買うという点を考慮すれば今のIKEAソファ界のボス、エークトルプより少々高いのは納得です。
全体評価:6/10
カラーバリエーションは限られてしまうグローンリードですが、カバーにこだわりたい方はぜひコンフォートワークスのオーダーカバーもご検討ください。アームチェアやオットマン、コーナーソファも含めグローンリードシリーズのオーダーカバーを幅広くお作りしています。50種類以上の生地から、お部屋にあった生地を選んであなただけのこだわりのカバーをご注文いただけます。
ほら、オーダーメイドカバーならレザーのグローンリードソファだって実現可能!他にもIKEAソファのオーダーカバーを幅広く製作していますので、ぜひチェックしてみてください。
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